Trend Best指標の解説

 

 

Trend Best指標の特徴

1 株価指数を構成する現物株や他の株価指数の動向および各種の情報を数値化しいろいろな角度から分析して独自の指標を編み出している

2 ロジックは開始した2007年から今日まで変化せず、コンスタントにトレンドを示し続けている

3 その指標は結果として市場全体の動向を示し株価指数(株価指数先物)の価格変動に同期する

4 指標は上昇の機運を示すもの(赤色の曲線で表示)と下降の機運を示すもの(緑色の曲線で表示)の2種類がある

5 指標を描いたグラフにおいて、赤色の曲線緑色の曲線よりも上位にいる場合は、価格は上昇するトレンドを示す

6 反対に緑色の曲線赤色の曲線よりも上位にいる場合は、価格は下降するトレンドを示す

7 赤色緑色の曲線の交点がトレンド転換点となる

8 曲線の高度はそれぞれのトレンドの強さを示し、高い位置にあればあるほど、そのトレンドの勢いが強いことを示している

9 上昇(赤色)下降(緑色)の2種類の指標は、分析期間に応じた長期・中期・短期・超短期レンジの4種類のカテゴリにそれぞれ存在する

10 日経平均株価だけでなく、DOWやハンセン指数などにも応用できる。現在は日経平均株価とJ-REIT指数の両先物のみを対象としている

11 指標は毎営業日の前後場足に対して1組ずつ与えられる。夕場については現物株の取引がないため指標を算出できず後場の数値が代入される

 

 

トレンドを把握するためのツール

Trend Best指数を用いてトレンドを直観的に把握する方法が二つあります。チャートとトレンドリストです。

 

Trend Best指標チャートは上昇と下降を示す指標を赤色緑色の曲線で描き、日経平均先物のローソク足を加えたものです。以下は「長期」のチャートです

Chart20151230

 

トレンドリストは測定レンジの異なる超短期、短期、中期、長期の4種類のカテゴリにおけるそれぞれのTrend Best指標の間隔(数値の差)を示すとともに上位に位置する指標の持つ色づけをして時系列にリスト化したものです。この時、間隔が広いほど色は濃くなり、反対に間隔が狭まると薄くなって最終的には白抜きとなります。

TrendList20151130

TrendList20151230

 

 

二つのツールが示すトレンド

それでは上の例から見てみましょう。長期のチャートとトレンドリストが示す期間は2015-11-02-1から2015-12-30-2までです。日付の後のハイフン以下は1:前場、2:後場、3:夕場です。同日の後場と夕場の値は同じですのでトレンドリストでは夕場は省略されています。

 

チャートを見てまずわかることは、11月中は価格が上昇を続け12月に入ると下降に転じ、一時的に上昇するも再び下降していく価格です。もう一つは11月の上昇局面の時には赤色緑色よりも上位に位置し、12月に入ると赤色緑色が交差した後に、今度は緑色赤色の上位に位置したことです。つまり、上昇局面では赤色が上にあり、下降局面では緑色が上にあるということがお分かりいただけると思います。一般的にこのようなはっきりとしたトレンドの下で、若干の押し目があったとしても、それに動ぜず示されたトレンドを維持していくことが効果的な結果に繋がることが経験的にわかっています。

 

次にトレンドリストを見ます。前半の11月中は長期の濃い赤色が月末まで続いていることがわかります。そして12月に入ると一転して濃い緑色に転じて継続していることがわかります。11月の上昇局面は10月初頭から継続していたトレンドであって、11月10日を過ぎたあたりから中期や短期の色が「白抜き」が多くなってきます。これは測定期間が長い長期に比べてトレンドの終焉が近い事を感じ取った証であると考えられます。

以下は上記の直前の10月30日のトレンドリストです。このように長期だけでなく、中期も10月末まで濃い赤色を持続している事がわかります。また10月の上昇トレンド初頭では超短期と短期が濃い赤色で盛り上がっていた様子も表示されています。

TrendList20151030

 

10月から11月の「中期」のチャートです。10月中は赤色緑色よりもはるかに上位に位置していましたが、11月に入ってからその勢いはなくなり、以後は赤色緑色の間隔が狭くなっていき、11月末には緑色赤色を逆転する様子が描かれています。

Chart20151030

 

もう一度10月のトレンドリストをご覧ください。10月は一本調子の上昇局面でした。10月1日の段階で超短期は赤色になっています。しかし短期や中期は「白抜き」の赤色、そして長期に至っては緑色となっており、下降局面が終わりつつあることが分かります。超短期の濃い赤色は徐々に短期、中期へと伝播していき、最終的には長期が濃い赤色に染められていきます。このように一般的に超短期がトレンド転換のトリガーとなることが多く、それが伝播していく過程が見通せた時にトレンド転換が確実となります。

この10月のトレンドリストにはもう一つ重要な要素が含まれています。2015-10-14-1では超短期が、それまでの赤色から緑色に変化しています。同様に短期も緑色となり価格は下がってきています。これが1週間弱続くわけですが、この間中期と長期は濃い赤色を持続しており、結果として元の上昇局面に戻っていくことを考えると、超短期や短期が急激に変化したとしても、惑わされず中期や長期が安定的にトレンド色をキープしているのであるならば、それに従っていけば良いのではないかということがかります。

 

トレンド転換を見極める

前後場足ベースでトレンドの転換を把握するためのヒントはチャートとトレンドリストに隠されています。一つの例が2015-08-19-1から始まった「凪」からの下降局面への転換です。これは「長期」のチャートです。

Chart20150904

チャートを見ると7月から8月中旬にかけては赤色緑色の間隔が狭く価格も停滞していたのが徐々に下がり始めました。2015-08-19-2では緑色赤色を交差して、それ以降は緑色が急上昇し赤色が底辺に張り付く状況になりました。それに合わせて価格は急落し一時的な反動はあるもののその後も下げ基調は変わりませんでした。

 

次にトレンドリストをご覧ください。

TrendList20150904

これを見れば2015-08-13-1あたりから超短期から長期までの全てで「白抜き」が続き、2015-08-19-1から緑色に転じていることがよく見えます。4種類のチャートと併せてトレンドリストを見ると明確にトレンドの転換点が現れていることがわかります。

 

もう一つの例が、先ほど説明した2015-10-01-1から始まるトレンド転換の様子です。トレンド転換以前の状況を含めてぜひご確認ください。これは「短期」のチャートです。

Chart20151009

2015-09-29-2にピークをつけた緑色はその後急落をするとともに赤色が急上昇を開始します。それに合わせて価格は9月30日ごろから上昇に転じています。2015-10-01-1において赤色緑色を交差しその後は赤色緑色の間隔が広がっていき上昇トレンドが定着していきます。

 

次にトレンドリストをご覧ください。

TrendList20151009

トレンド転換の過程が明確に表されているようです。それまで緑色一色だった相場が2015-09-30-2の超短期の「白抜き」の赤色になったことで変化していく様子が描かれています。これでわかることは、まず超短期が赤色に染まり、しかもその数値が日を追うごとに大きくなっていきます。そして数本の足の遅れで、今度は短期が赤色になっていき、同様に中期、長期へと緑色から赤色への変化が伝播していくのです。

 

 

それぞれのトレンド転換の発見

このようにトレンドの転換においては幾つかのパターンがあるように思われます。もちろん同様の状態になったからといって確実にトレンド転換するかはわかりません。しかしTrend Best指標算出のロジックは過去から未来へと一貫しています。過去を分析することで新たなトレンド転換の条件を発見することができるかもしれません。それこそがシステムトレードの心臓部となるアルゴリズムを構成する上での重要な要素の一つとなるはずです。

その時にお役に立てるのがTrend Best APIです。Trend Best指標によるトレンドフォローのアルゴリズムを確立し、納得のいくトレーディングシステムを構築してください。

 

Trend Best APIは各種の株価指数先物のトレンド情報「Trend Best指標」をシステムトレードのAPIとして提供しています。

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